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PCさんの体験記

私は都内で勤務する40代看護師です。

家族は夫と子供2人。

既往歴:高血圧(治療中)、不整脈(経過観察のみ)

これは個人の体験と見解であり、医療的な物が含まれますがあくまでも個人の意見である事をご承知おきください。

 

2020年3月、私は月末で退職予定の都内訪問看護ステーションで勤務していた。

多い日には10件程度のご自宅や施設を回る日々。


3月23日、最後の勤務を終え有給消化。

その頃、都内では感染者が増え、マスク買い占めなどの影響が出始め、業務に支障を来たし始めていた。


3月24日、この先大変な事になるであろう事は予測でき、私は近県の大手外資スーパーへ買い物に行き生活用品の買い出しへ。

所用時間30分。


以降、4月から次の勤務先が決まっており、自粛生活へ入る準備をしながら子供たちの見守りをする。


3月28日、家族から咳が酷いねと指摘。



さかのぼる事2月、子供2人が空咳を、その後夫も空咳を。

既にコロナ報道がされており、医療介護現場も戦々恐々とし始めていた。


子供も夫も病院へ行く様促し、子供達はそれぞれ喘息の薬を(2人とも小児喘息持ち)、夫は何故かコデイン散を処方され帰宅。

数日服用して便秘を訴え中止。

以後家族の体調は戻った。


咳が酷いねと指摘された時、思い返したのは2月の出来事と、訪問看護で回ったお宅の事。

訪問先を思い返しても出てこない。

家族を思い返してもはっきりしない。

次の職場は決まっているのに、咳は様子を見ても徐々に酷くなる。


3月31日、翌日から別の職場に勤務という前夜。

37.4℃の発熱。

これはコロナなのか?

随分悩み、前夜のうちに職場へ連絡して休む事に。


そこから10日程、熱は出たり下がったり。

その間、咳が治まりつつあるのと引き換えに喉から気管にかけて焼ける様な痛みが…


当時、窓口は全て保健所への連絡するようにと国や都道府県の誘導。

コロナであろうと考え、管轄の保健所へ連絡。

そこで言われた事は「海外渡航者との接触」「37.5℃以上が4日」「基礎疾患があるか」という高いハードル。


医療従事者であり、訪問して回っている影響について話しましたがPCR検査には至らず。

咳嗽指摘の時点ですでに家族への感染も懸念していたが、自主的な自宅内マスク着用と過度な消毒で乗り切る事を決める。


徐々に酷くなる息苦しさ。

午後になると強くなる喉の焼ける様な痛み。

自身でも心病んでいる自覚がある。

SPO2を測り(仕事柄機材は所持)、家族にも外出を控えてもらい、家族の健康だけを願い生活を続ける。


その後も、37℃〜37.4℃程度の微熱が出たり出なかったり。息苦しさは続き、寝る時は毎日「夜中に息が止まるのでは?」という不安に駆られ不眠になる。

微熱は4月13日まで続き、発症と思われる3月31日から自粛生活継続。

医療機関へ行けばその影響は容易に想像できてしまうが上の自粛の選択です。



今なら大丈夫では?と考え始めた4月23日、かかりつけのA医院を受診。

A医院で事情を話したら、まさかの受診拒否。

かかりつけは幼少期からで、医師が代替えしたのちも通い続けていた医院。

子供の主治医でもある。

この仕打ちは本当に心折れた…

その頃はどこも発熱に対し過敏に反応して受診拒否が相継いでいた。

私も拒否され、更なる自粛生活継続へ。


訪問看護で繋がりのあったB医師に相談して、電話診療で抗生剤(フロモックス)を処方していただく。


新しい職場へは常に連絡して、復帰についての相談を重ねた。

職場の感染管理から復帰は可の返答は来ており、4月末から社会復帰となった。



医療現場に戻る事について「本当に感染しないのか?そもそも私はコロナなのか?」非科学的と言われても、強い葛藤だった。


検査は出来ていない。

陽性だったのかもわからない。

明らかに喘息とは言い難い症状の持続。

これらをどんな言葉で説明すれば自身の病状について説明できるのか?


復帰初日は職場でスタッフに会ったら安心感で涙が出た。

その位追い詰められていたのだと後に気付く。


職場の医師と今回の件について話す。

「よくわからない感染症だからなぁ。いつかかってもおかしくない。」

フロモックスについて話すと「効かないだろ?」 別の抗生剤(サワシリン)を処方してくれた。


復帰後しばらくは、周囲に症状の出る人が居ないかと注意していたが、その様な事は起こらず2度目の安心。



それからは、自分に残っている症状との葛藤になる。



5月初旬、都内の病院はどこも臨戦態勢。熱も出なくなり苦しさと咳だけが残る。


別のC医院へ。

発熱がなかった為、別室にはなっても診療してもらえる事に。診察では「喘息でしょうね。ちょっと長くなってしまった様なので、念のため抗生剤とステロイド内服もしましょう。」

プレドニゾロン・キプレス錠・ムコダイン錠・小柴胡湯加桔梗石膏・シムビコート吸入・クラリスロマイシン


喘息…


喘息の子供2人を育て、看護師として20年以上も仕事をしてきて、喘息がどの様なものかは十二分に知っている。

それでも、今の医学では「喘息」という診断のほかない。

納得できなくても、治療がないのも十分に知っている。


プレドニゾロンと抗生剤を1週間、その他一通りの薬を服用。

ステロイドで症状は改善してきたものの、夕方になると出てくる息苦しさが残る。

病院で話しても「おかしいですね…、季節の変わり目には見かけますし、薬は続けましょう。」

前向きに診察してくださる事には感謝。

でも、喘息ではないという看護師としての思い。


職場の検診を受ける。

どんな結果になるか気になってはいたが、採血は驚くほど異常はない。

もとの不整脈は酷くなっており、治療対象となる。


そういえば、動機が酷くなっていたような・・・。

いつからだったろうか?

正直、4月は苦しさで覚えていない。

循環器を受診してホルター心電図検査を行う。

1日の1/3~半分弱はPVC。その大半は深夜眠っているはずの時間帯であると説明を受ける。

通常、副交感神経の働く深夜に頻発することは少ない。

また考える「なぜ?」


カルベジロールが処方されるがシムビコートとは相性が悪く、吸入薬がアニュイティへ変更。


その後、数か月経過しても通院は続き、現在もなお症状は続く。

 

日本では、未知の感染症に「死の病」か「ただの風邪」の両極端な思考で分断されている。

個人的にはどちらでもない。


知ってもらいたいのは、長く症状が残る人が多数いるという事。

それらに対し、心因性だと一括りで捨てないで欲しい事。


「後遺症」なのか「症候群」なのか、研究はいずれ進むであろう間にも、同様の症状を訴える人が増えていくことを考えてもらいたい。


先進国といわれる日本において、医療も先進国であって欲しいという医療従事者としての勝手な願いもこもっているが、今の日本におけるCOVID19に関する研究については日本人の悪しき習慣「周囲の空気を読む」が前面に出ていると感じる。


EBM 一般には聞きなれないかもしれない。

ずっと違和感があった。必要であるものだが、日本的思考にそぐわないのでは?と。

EBMは大切だが、今は目の前の患者の訴えに耳を傾けてもらいたい。

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