SOさんの体験記

50代独身1人暮らしの男性です。

4月に新型コロナと思われる症状を発症し、8月現在もいわゆるコロナ後遺症のような症状で苦しんでいます。

まわりに理解されないことが辛い。

普通の医師にもいわゆるlongcovidのことを知ってほしい…。

思い出すのも辛い経験もありましたが、同じように苦しんでいる人達への理解が深まればと思い、筆を取りました。皆の想いが届きますように。

あの、自粛ムードが緩んだ3月後半の連休中。

3密と言う言葉が出るかでないかの頃、当時色々なストレスを抱えていた自分は、いわゆる夜の街でいつも通り飲んでいた。

夜の街クラスターという言葉もなかった頃で、店もガラガラだし大丈夫だよなと思いながら…。

連休明けの同じ店で、連休中に会した店員が発熱で休んでいることを聞き不安になったことを覚えている。

翌日以降、喉の違和感と胸の痛み、ウイルス性と言われる白い痰がしつこく出始めていた。

ヤバいかもと思いながら一日下痢した程度で特に悪化もせず過ごしていた。

だが、約10日後。

それまで感じたことのない倦怠感が出はじめ、その夜、猛烈な寒気(悪寒戦慄)に襲われ、これはかなりヤバい、やはり新型コロナだと直感した。

しかし、翌朝には体調少し回復し、仕事もあり出勤した。

その後少しずつ体調が悪化し定時に直ぐ帰宅、念のため翌日から仕事は休みにした。

長い自己隔離生活の始まりとも知らずに…。

週明けに入浴していた自分は、ある異変に気づく。

入浴剤の匂いがしない…そしてシャンプーの匂いも。

鼻づまりもないのに…。

「コロナではないかもな」との淡い期待が砕かれた瞬間だった。

そして、甘く考えていた行動への後悔…。

死への恐怖はもちろん、会社に迷惑かけることや、防護服の人たちに家に来られること、行動履歴を全て報告しなければならないこと、そのどれもが恐怖。正直、人生終わったと思った。

本当に。

この時、酷い悪寒と動悸、吐き気や痰などの症状はあったが、熱は37.5℃未満、咳もない。試しに勇気を出して保健所に電話をかけてみるが繋がらない。

この時は、どのみち薬もないし、PCR受けて陽性でも、自宅で籠ってても状況は同じだし、面倒な思いして無理してPCR受けなくてもいいと思っていた。

後遺症のことなんて全く頭になかった…。

数日後、雑居ビルの別会社から陽性者が出たことを知らされた。

調べるとその人物は感染経路は明らかな人だった。

小さいビルでもあり、同じエレベーターに乗っていた可能性もあるし、もしかしたら、この方から感染したのかもしれない…。

ますます新型コロナ感染の可能性が高い。

この頃は既に無症状でもCTで肺炎が判明することも知っており、肺炎有無を確認したい思いにかられた。

その後、何度も何度も保健所に電話をかけようやく繋がった。

症状を一通り説明し、陽性者の話もした。

CT等の検査をしたいと伝えたところ、病院の紹介はしていません!と。

PCRは「37.5度以上の発熱が4日日以上なし、持病なし、海外渡航歴なし、濃厚接触なし」で該当せず、病院受診を勧められた。

かかりつけのA医院に電話し、コロナのような症状があると伝えると受付に来院を断られた。

保健所にも連絡したと伝えると、主治医に電話が繋がり、血液検査やレントゲンをお願いした。

しかし、できないと…。

保健所の対応について伝えると「向こうの仕事のやり易いようにすることない!濃厚接触したと言っちゃえばいい!」と。

また、どこにも診て貰えない多くの発熱患者から連絡がきている、他のクリニックに電話しても嫌な思いするだけだよと…。

薬だけの処方ならできると言われたが、断った。もう何もかも諦め始めて来た。

絶望である。

この頃の症状について。

嗅覚障害は鼻は完全に通っていて、アロマオイルを直接嗅いでみると微かに変な刺激臭。

醤油もお酢も匂いを感じない。

一日中動悸が酷く寝てても頻脈100bpm以上で、毎朝目覚めた瞬間の激しい動悸が恐怖。

熱は37℃程度で微熱だが悪寒が酷く、エアコン効かせて加湿もしても、とにかく寒くて仕方がなかった。

後は、吐き気、喀痰、倦怠感。

さらには、歯茎がかなり腫れ歯磨きすると血だらけに。

鼻血も少しでた。

また、入浴すると物凄く体毛が抜け湯船が毛だらけに…。

身体に何が起きているか分からない恐怖。

数日後、7119を知ることになり、電話して何件か病院を教えてもらえた。

そのなかから、少し遠くであったが、発熱外来がある総合病院に電話し受診することができた。

B病院の発熱外来受診。

この時既に発症から2週間が過ぎていた。

完全防護の医師に診察してもらい、血液検査異常なし、胸部CTで肺炎なし、頻脈については甲状腺検査異状なし。

PCRについては、「直接やるなと言われている、病院でも保健所経由だが、電話が全く繋がらない」と言っていた。

「コロナだとしても重症化する期間はすぎているので大丈夫。とにかく、コロナともコロナじゃないとも言えないからコロナのつもりで過ごしてくれ」

と言われ葛根湯とカロナール等を処してもらった。

そして、5月の連休明けまで仕事は休むことになり、備蓄食糧で食べ繋ぎながら1人自己隔離を続けて行くことになる。

この頃は後遺症の話しも知らず、軽症ならもうしばらくしたら治るはずだと少し明るい気持ちになっていた。

しかし、その数日後、新たな症状、急に強い耳鳴りが始まった。

ウイルスのせいだと思い恐怖が増した。

4月下旬、耳鼻科に行きたかったが、行っていいか判断できずにB病院に連絡。

今回も発熱外来に通され、血液検査と胸部レントゲン。

白血球が多い以外は異状なしで耳鳴りは耳鼻科に行ってくださいと。

翌日、C耳鼻咽喉科受診。副鼻腔炎なしで、この状態で匂いがしないのはコロナが疑わしいと言われる。

その後、微熱は下がってきたりぶり返したりし、悪寒と動悸は変わらず。

嗅覚は左だけ戻りつつあった。

動悸は朝から晩まで頻脈で目覚めた瞬間に頻脈で死ぬのではないかと怖い毎日。

悪寒は部屋をどれだけ暖めても寒かった。

5月初旬、熱も下がりA医院定期受診。

あのときはすみませんでしたと一言あり、いつもの薬を処方された。

B病院の血液検査を見せたが、コロナじゃないですね、よかったですねと言われ、それ以上の話しは聞いてくれないように感じたので引き下がった。

仕事復帰後も体調はすぐれないまま。

会社は全くコロナは疑ってないようで自分も体調悪い理由もはっきり分からず困り果てる。

体調が戻らない理由が知りたくて5月中旬に抗体検査しているDクリニックを探し、簡易抗体検査を受けた。

まさかの igg,igm陰性。

その後、5月下旬に微熱がぶり返し、近くの別のE医院を受診した。

炎天下での隔離が辛い。

たまたまそこでも簡易抗体検査をしていて、ここでも陰性。

コロナじゃないからPCRまでは受けなくてもいいといわれ、吐き気を抑える薬だけ処方された。

6月、症状がぶり返していて辛いことや、再陽性のニュース等から、やはりPCRを受けたくなり、民間PCR検査ができるクリニックを知りそこに行った。

FクリニックではCTとPCR検査。

PCRは陰性。

発症から2ヶ月がたっていた。

数日後、遠くのG内科でロシュ社の定量抗体検査も受けたが、陰性で、血液検査も異状なし。

これで辛い症状がなければ、やはりコロナじゃなかった!と喜べるが…。

これではコロナだった可能性を証明するものがなく、ただただ体調不良の理由も分からず、困惑するばかり。

抗体ができない例や2ヶ月程で消えてしまう話しもあるが、人に分かってもらう方法は抗体しかなかったのに…。

この頃はもう後遺症の話しを知り始める。

体調不良で休むことが増え退職も考える。この先どうやって生きていこう…。

6月下旬、感染症専門医が開業していたHクリニックを見つけ受診したがコロナの話しは聞きたがらない。

炎症反応ない例なんて武漢の報告でもあるのに…と思いながら仕方なく膠原病の血液検査を受けたが異状なし。

慢性疲労症候群のことを、怠け病といわれていると言っていたのが印象に残っている。この病院もダメだ。

7月中旬、iクリニックでこれまでの検査結果を渡し、心電図を診てもらったが異常はなし心音も異状なしとのことでそれ以上の検査はなし。

動悸は心療内科を勧められてしまうことに。

7月下旬以降、jクリニックで漢方治療を始めてた。

コロナの可能性は否定されたが、風邪が長引いているとして、その治療となるらしい。

下記は4ヶ月以上たった8月現在も残る症状となる。

当然発症以前にはなかった。

  • 主にー午後から夕方にかけて悪寒、全身ゾワゾワする感覚、動悸、ひどい怠さ

  • 常にー嗅覚障害、耳鳴り、喉の違和感、喀痰、倦怠感

  • 時々ー胸やけ、頭痛、夕方微熱、胸痛、咽頭痛

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